続く試行錯誤。新型エンジン搭載のBRZ、
猛暑の苦戦を糧に勝負の後半戦へ挑む


2026スーパーGT第5戦『SUZUKA GT 300km RACE』が、8月22日〜23日において三重県の鈴鹿サーキットで開催されました。
路面改修とセットアップの苦悩


30度を超える猛暑と湿度が高い気象条件のなかで開催された今大会。GT300クラスに参戦する61号車SUBARU BRZ R&D SPORTは、土曜の午前中に行われた公式練習で、思うようなセットアップを見つけられずピットインと走行を繰り返します。

小澤総監督によると、「鈴鹿の路面が全面的に改修されていて、その路面で走行を行っていないため、想定のもと持ち込んできましたが、いろいろな側面から少し外していた状況ではありました」とのこと。路面改修が行われてから初走行になるため、マシンのセットアップがさまざまな要因との組み合わせで、うまくはまっていないような状況だったと言います。
1時間25分ある公式練習中に赤旗中断が2回あったことで、その時間を利用してセットアップを大きく変更しました。メカニックの迅速な作業により走行時間に影響なくセットアップの変更を行い、最終的に4番手のタイムで終了しました。
僅差の3番手獲得、見えた希望と課題


午後に行われた予選Q1でまず井口卓人選手がアタックを行います。井口選手はQ1-B組のトップタイムを出しQ2に繋ぎます。Q2では山内英輝選手がアタックを行いトップタイムを叩き出して、このまま行けば自身がもつポールポジション最多記録の更新も期待されましたが、2台にタイムを更新され3番手となりました。しかしトップとは0.4秒という僅差です。
Q1を担当した井口選手は「走り始めの悪い流れの中で、赤旗中断でセットアップを大きく変えたことが功を奏しました。チームのみんなのがんばりがあったからこそ、ここまで(Q1-B組トップとQ2で3位)これたなと思います。優勝や表彰台にのりたいことはもちろんですけど、まずはしっかり完走したいと思います」と語ってくれました。
Q2を担当した山内選手は「速さで負けているのが素直に悔しいです。公式練習から予選Q1を踏まえて、いろいろ変更してQ2に挑みました。逆に良かった部分が消えてしまったところもあるので悩ましいところでもあります。トップと0.4秒というのはほんの少しのように思えますけど、自分達の中では大きく離れているという感覚ですので悔しいです」と悔しさを滲ませていました。
ファンが見守る中でのアクシデントと
苦しいレース展開


迎えた決勝の日曜日。鈴鹿サーキットのイベント広場ではスバルファンミーティングも開催され多くのファンがBRZの走りに期待していました。また両日行われたピットウォークでは、SAC’S BARが製作した、井口・山内両選手とのコラボグッズを身につけて応援に来てくださるファンも多く見かけました。

いよいよ決勝が始まる時には気温・路面温度もあがり、猛暑のなかでのレースが開始されました。3番手から井口選手のドライブによりスタートした61号車SUBARU BRZ R&D SPORTは、前の777号車D’station Vantage GT3を追い抜くほどのスタートダッシュを見せます。その後のS字コーナーや逆バンクコーナーでうまく抑え込まれてしまい、3番手で周回を重ねていきます。
順調に走行しているように思えましたが、思った以上に早くタイヤのピークダウンが始まってしまい、マシンをコース内に収めておくのが難しいくらいになってしまいます。
徐々に順位を落としてしまい、その後45号車PONOS FERRARI 296 EVOに軽く接触されダートにマシンを止めてしまいます。オフィシャルに押されてコースに復帰しますが、順位は最後尾まで落ちてしまいます。

幸いにして砂利に埋まっただけで壊れているところはなくピットに戻りました。各部の確認と清掃を行い、タイヤを交換してセットアップの小変更を行い再スタートします。ドライバー交代ができる規定周回数に足りていないこともあり、井口選手のままコース復帰しました。
その後ドライバー交代の規定周回数に達したことで山内選手に交代し、追い上げを期待しました。ラップタイムもトップと遜色ないタイムは出せているのですが、思うように走り切ることができません。レース終盤に他チームのマシンが大きなクラッシュを起こしてしまい、FCY(フルコースイエロー)からのSC(セーフティーカー)になり、最後はSC先導のもとトップから9周遅れでチェッカーとなりました。
続く試行錯誤と次戦SUGOへの展望


レース後、井口選手は「タイヤの温まりが良いのが分かっていたので、スタートは狙おうと思っていましたが、追い抜くまでいけませんでした。タイヤのグリップがあるときは良いのですが、タイヤグリップが落ちてきてからのタイムであったり、マシンのバランスなどいろいろな状況のなかで、使える道具をどう使っていくのか、いろいろな組み合わせの中で、正解の方向性を見出すのに苦労しているところではあります」と苦しい状況を説明してくれました。

山内選手は「シンプルに速さが足りていないと思います。セットアップの方向性があっているのかいないのかなど、考えるところは多くあります。今年新パッケージになりましたが、実際のコースで走行できていないことでデータ不足もあり、こうなるだろうということを考慮してサーキットに持ち込んでいるのですが、それが当てはまらないこともあるので、どう対処していくのか。果たしてどれが正解なのか、悩ましいところはあります。次に向けて何が足りていないのかを見つけ出していかないと上位にいけないなと思っています」と苦しい胸の内を吐露してくれました。
小澤総監督は「率直な感想としてはまだまだです。予選まではだいたい想像通りに進めていけたかと思います。ロングランになったときのセットアップの方向性などの課題を解決できれば、うまく走れると思います」と語ってくれました。
SAC’S BAR 熱い漢

今年になってエンジンを新型にして、パワーや速さを垣間見せてくれますが、セットアップの方向性など苦しんでいる場面も見られます。新パッケージゆえの産みの苦しみの中にいるのかもしれません。
次戦のSUPER GT第6戦SUGOは9月19日(土)、20日(日)に宮城県村田町のスポーツランド菅生で300kmレースが開催されます。山内選手も得意とするサーキットですし、BRZも相性が良いサーキットですので期待したいと思います。








