覚醒した新生SUBARU BRZ!
スーパーGT第6戦SUGOで念願の表彰台へ


9月19日(土)から翌20日(日)にかけて、宮城県のスポーツランドSUGOでスーパーGT第6戦『SUGO GT 300km RACE』が開催されました。SAC’S BARが応援する、GT300クラスに参戦する61号車SUBARU BRZ R&D SPORTが今シーズン念願の表彰台にあがりました。
新パッケージの苦悩と、
鈴鹿テストで見出した「光」


61号車SUBARU BRZ R&D SPORTは今シーズン、長年戦ってきたエンジンを従来のEJ20シングルターボエンジンから、EG33ツインターボエンジンに載せ替えて戦っています。エンジンの交換に伴い、マシンの土台となるシャシーや、エアロパーツなどを一新してレースに挑んできました。
しかしながら新パッケージでのレースは思うような結果を残せていませんでした。開発中のシミュレーションやシーズン開幕前のテストでは好調な様子でしたので、いざシーズンが始まってみると思いのほか苦戦を続けてしまいます。
とはいえ、新しく搭載したエンジンが遅いということやトラブルを起こしている訳ではありません。むしろエンジンの調子は悪くなく速さも見せてくれます。そのことは第2戦富士スピードウェイで、ポールポジションを獲得したことで証明しています。
速さを増した分、タイヤに負担をかけることになってしまい、第2戦と第4戦富士スピードウェイでタイヤバーストを起こしてしまいます。エンジンが変わったことによる重量増もありますが、それだけが問題なのではなく、速さも増していることで強大なダウンフォースなどの影響もあり、その結果がタイヤに負担をかけていたのかもしれません。この辺りはエンジンやタイヤ単体に問題がある訳ではなく、全体のバランスを取るのが難しいということの現れかと思います。
第5戦鈴鹿サーキットでは対策を講じてレースに挑みますが、ライバルに追突されたことでコースアウト。その後レースに復帰しますが勝負権を失った状態でした。そこで考えを変更し、次につながる別のセットアップを実戦で試してみるという、常に次を目指して戦っています。
GT300クラスは来シーズンよりダンロップタイヤのワンメイクで戦うことになります。そのため今シーズンはレース翌日に複数のチームに対しタイヤテストを行う機会が設けられています。スバルチームも鈴鹿サーキットでのテストに参加し、今までとは違う方向性のセットアップにも挑みました。この結果がかなり良い方向に繋がったと言います。
悩ましい空模様の中、予選2番手を獲得!


そんな良い方向性が見つかったことを受け、今回の第6戦SUGO大会には期待がかかります。台風の影響で天候が読めず、いつ雨が降るのかが分かりにくい悩ましい空模様となります。幸いにして土曜日の午前中に行われた公式練習走行は曇り空。61号車SUBARU BRZ R&D SPORTはトップタイムを刻み、鈴鹿サーキットで得た新しいセットアップが効果を見せているようです。

午後に行われた予選でも、Q1のA組に出走した井口選手はトップタイムを刻みます。Q2で山内選手は自身が持つコースレコードに迫るタイムを刻み、ポールポジションを獲得したかに思えましたが、残念ながらライバルにわずかに抜かれてしまい2位となります。2位でも十分速いのですが「速さが足りない」と山内選手は悔しい表情を見せます。
荒れ模様の決勝レースを戦い抜き、
念願の3位表彰台へ


決勝の日曜日は朝から小雨が降り続けます。決勝レース前に行われるウォームアップ走行では全車がウェットタイヤを装着して、レースに向けた最後の調整を行います。
決勝レースに向けて2番グリッドに到着した時、目の前にはスバルファンシートが広がっていました。チーム関係者は大勢のスバルファンに向けて挨拶をしてレースに挑んでいきます。
決勝レースはなんとか雨が降らずにスタートします。まだ路面が濡れていましたが、すぐにドライアップすることが想定されたため全車がスリックタイヤを装着します。そのためレースはセーフティーカー先導のもとスタートとなりました。
その後、セーフティーカーが離れ、レースがスタートしていきます。SUBARU BRZ R&D SPORTは前を行く60号車を追いかけますが、なかなか追いつきません。しかし後続から追い上げられることもなく、2位をキープしたままレースが進んでいきます。
39周目にピットインして井口選手から山内選手に交代しレースを追い上げます。しかし少し速さが足りず、前方のライバルを追い込むことまではできず、3位でチェッカーを受けました。

スバルファンだけでなく、スバル関係者全員が待ち望んでいた表彰台に上ります。もちろん1番上を目指している訳ですが、苦しい戦いをしている今シーズンの様子をみれば3位でも立派な成績です。
何より苦戦し、トラブルなどで完走もままならないレースが続いた中での3位表彰台は、明るい希望を見せてくれる結果となりました。
チームの生の声と、
次戦・地元オートポリスへの誓い


決勝後の山内選手は「もちろん上位2台より前でチェッカーを受けたかったのですが、新しいパッケージになって、初めてのSUGOでこのように戦えたというのは今後に繋がっていくと思います。鈴鹿のテストで良い方向性が見えたのが本当に良かったです。表彰台に上がれたことで少し肩の荷が降りたような気がします。しかし同じタイヤを履く60号車に追いつけていないので、そこを改善していかないといけないなと思う部分もあります」と語っています。
井口選手は「今シーズン決勝をスタートした後に苦労することが多かったのですが、今回は良い状態でスタートできたと思います。しかし60号車に追いつかないということは改善するところがあると思います。途中ギアが入らないタイミングがあり焦りもありましたが、冷静に対処できましたし順位を落とすことなく走れました。その後は問題なく走れて良かったです。次戦は地元のオートポリスで、井口ファンシートも用意してもらえます。オートポリスで良い結果を残せていないので、新しいパッケージで良いレースを見せたいと思います」と語ってくれました。

小澤総監督は「率直な感想としては1位を獲れなくて悔しい。反面すこしホッとした部分もあります。ファンの方々、関係者の皆様も喜んでいただけたのは良かったです。鈴鹿でのテストで良い方向性を見つけ出すことができて、そのセットアップの方向性のままSUGOに持ち込み、良い結果が出ています。この方向性や内容が100点の結果では無いとメンバーみんな思っているのですが、ポジティブな結果だと思います。次のオートポリスも表彰台を狙っていきたいと思います」と語ってくれました。
SAC’S BAR 熱い漢

トラブルなどで苦しい戦いをしているなかで、今回の3位は残りのレースに希望を持たせてくれる結果になりました。
次戦のSUPER GT第7戦は、大分県日田市にあるオートポリスで10月17日(土)、18日(日)に「SUPER GT第7戦 GT 3Hours RACE」として開催されます。井口選手の地元九州でのレースになります。今回の表彰台の勢いのまま、どんな戦いを繰り広げるのか期待したいと思います。







